日帰り北関東ローカル私鉄の旅 その4(上毛電鉄・後編)

大胡駅裏の緩い坂道を進み、車庫へ近づくと、
「見学のおきゃくさーん?」と声が聞こえる。
ジェスチャーで「○」をすると「こっち!こっち~!」と。

出迎えてくれたのは還暦は越えているだろう職員さん。
見学名簿に名前を書くと、
「ウチは危険なことさえなければうるさく言わないの」と。
と、引率し、ひとまず電車庫の方にオレを導く。
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手前に手動ポイント(転轍機)がある。
「動かしてみて」と言われててこを持ち上げようとするが、
重くて簡単には動かない。ポイントってこんなに重いのか!
両手で力を思いっきり動かしてようやく線路が切り替えられた。

木造の車庫は屋根がトラス(キングポストトラスっぽい)で、
築90年だから創業当時からのもの。中にはプーリーとベルトが
複雑に組み合わさって回転する旋盤類などが現存し、文化遺産として登録されたのも納得。
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外へ再び出ると、デハ104の姿が!めっちゃかっこいい。もうたまんないね。
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実は上毛電鉄は年に数回、大規模な公開イベントを行っているのだが、それは明日。
でも、明日は混み合うし、もし前日の今日でも見学が可能ならばと思い問い合わせた。
もちろん無理は言わないでね。そうしたら快諾していただいて。
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いやー、いいね。もうシビれます。この正面3枚窓も素晴らしい。
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職員さんがカギを開け、デハ104の内部を案内してくださる。
ドア上部にある路線案内図は当時を再現したもののようで、貴重だな。
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さらに、車内の床の扉を開いてくださる。この車両は車名は「デハ104」で、
パンタグラフもあるが、電装解除され、モーターはないそうだ。
だから、台車の周囲はなにもない。
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運転台もシンプルそのもの。
もともとは中央にあったが、車体更新の際、タブレット交換がしやすいよう、
右側に移設されたそう。その更新の際、鋼製化改造もされたそうだ。
そうした改造は、中島航空機(スバル)で戦闘機を設計していた技師が戦後手がけたそう。
あぁ、こんな秘話というか、こぼれ話も素敵だね。
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デハ104の前にある凸型電気機関車が、デキ3021。
もともとは東急が古くから持っていた車両で、貨物輸送の取扱を終えたあとは、
長津田工場で入れ換え用機械として使われていたが、引退に伴い上信電鉄へと移った。
こちらもまもなく製造後一世紀を迎えようかという旧型電機。
デビューは1929年だもん。東京横浜電鉄時代。つまり東急ができる前のこと。
本線に出るのはで無理だが、構内であれば走行可能だそう。
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車体にある銘板には、現在の所有者である上信電鉄とともに東京急行のものも。
上信電鉄には古いものを大切にして維持をする気持ちと力量があるんですね。
鉄道車両の譲渡は、単に欲しい、あげる、だけでは済まされませんからね。
前述の職員さんによると、譲渡も間に入った方が「上信電鉄なら大丈夫」と、評価したそう。
実際、上信電鉄さんはどの車両もキレイにしていますね。経営は決して楽じゃないのに。
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倉庫もご案内してくださいましたが、貴重なヘッドマークが。
相当以前には、東武浅草から、中央前橋まで、東武の車両が乗り入れていたそう。
これはレプリカだとは思いますが、歴史を感じますね。
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見学は30分ほど。丁寧に説明してくださり、こちらの疑問にも快く対応頂きました。
最後に見学料金?として、入場券を購入します(170円)。これじゃ安いくらい。
深々とお礼と感謝の気持ちを伝える。なにせこの酷暑の中ですからね。
「あとはその周囲を見たいなら見てくださいねー」。このアバウトさがいいww
お言葉に甘えて、留置中の車両を見させて頂く。
700型の台車。あまり近くで見られる機会もないからね。やっぱTS台車は萌えるな。
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725編成。これは確か中間車から先頭車化改造のもの。
実は今日は久しぶり(2年ぶりくらい?)に一眼レフ(ペンタックスK-5)を持参したが、
やっぱり重たいな。てかこの画像はSAMSUNGのGALAXY s7edgeで撮影。
これじゃデジカメも売れなくなるわ。スマホで結構いい感じだもんな。
しかもオレの場合ブログがメインだから、この画像はこの大きさでいいし。
それはともかく、やはりこの湘南型2枚窓はいいデザインだなあ。
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車庫の反対側の小高い丘の上にあるのが変電所。
6万ボルトの送電能力があるとか。建設当時は破格の能力だったらしい。
それは大胡から本庄(埼玉県)方面への延伸計画があり、ここから分岐予定だったこと、
あと、周囲の一般家庭への送電も求められたからだそう。
上信電鉄が走り始めた頃は、まだ電気が通ってなかった町だったそうだから。
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そして、明日のイベントで走行予定のデハ101。今なお現役。
と言っても走るのは貸切やそうしたイベント時に限られますが。
つややかで、素晴らしいね。さきほどのデハ104とともに川崎車両(現川崎重工)製だそう。
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再び大胡駅へ。
さきほどの駅員さんにもお礼を伝え、切符を券売機で買おうとするも、
一瞬料金表を見失う。「ほら、真上にあるわよ」。そう言うのはさっきのおばさんw
何者なんだろうw なんだか人の家の居間にいるみたいw いいなあ上信電鉄。
帰りは中央前橋へ。ああ、昔の京王井の頭線渋谷駅の光景に似てるな。

さ、旅も終わりです。
バスで前橋に出て、両毛線で高崎に。ここからは湘南新宿ラインで一気に横浜へ。
車庫見学にご協力頂いた上毛電鉄の皆様に深くお礼を申し上げます。


by navona1971 | 2017-08-27 00:02 | ぶらり旅行記 | Comments(0)