「岡部宿へ、そして蓬莱橋を目指す」(静岡2日目後編)

宇津ノ谷峠を訪ねたあとは、車が通れる「大正のトンネル」を回って隣町の藤枝市へ。
10分ほど車で移動すると、丸子宿の次の宿、「岡部宿」付近にたどり着きます。現在は藤枝市岡部ですね。
ここには、江戸時代に東海道を旅する人々が泊まった旅籠(旅館)が、当時の姿に復元され、保存されています。
名前は「柏屋」。東海道五十三次を行き交う人で賑わったここも、東海道線の開通などで利用者が激減、
その後は質屋に業態転換、さらに住居として代々住まわれていた方がいたそうですが、
歴史的建造物の重要性に鑑み、藤枝市が買い取り、さらに傷んだ部分を修復して、博物館としてオープンさせました。

入館料300円を払って中に入ると、地元のボランティアのおじいさんが案内してくれます。
岡部宿にはこのような旅籠が30軒近くあったそうで、「柏屋」はこの宿場町でも大きい部類の旅籠だったそう。
宿泊料金は今のお金に換算して3000~5000円、2食つきだったそうです。
1階の奥にはかまどと食器棚(って表現でいいのか?)がありましたね。
そして、武士と町人や商人の泊まるスペースが区別され、武士向けの部屋は畳もしっかりとしたもので広々。
一方でエコノミーな部屋はもう、雑魚寝よりも少しいいかな、という程度の環境。
町人、商人らの宿泊部屋は定員がなかったそうで、混めば混むほど詰め込まれたそうです。
特に、この先の大井川が氾濫したり、増水したりすると、橋の手前にある藤枝宿や島田宿がまず満員になり、
あふれた旅人がだんだんと詰まって?岡部宿に泊まる羽目になるようなこともあったとのこと。
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1Fで説明を聞いたあとは自由に見学。2Fには、地元のコレクターの方が集めた江戸時代の骨董品が。
とにかく驚いたのは、当時の旅人の持ち物。「携帯用仏(ほとけ)」、「携帯用旅枕」、「携帯用ろうそく立て」、
「携帯用硯」・・・すごい。日本人がなんでも携帯したがるのはこの頃からかw。
携帯用硯なんてよく出来ている。いい仕事してますよ・・・。
さらに、宿泊した武士の宿帳。こうやって名前を書いていたそうです(当時のもの)。
「芸州(現・広島県)の長谷川勘平」と読めますね、左のものは。
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ここは・・・フロント?というか社長さん?の席ですね。
そうそう、時代劇ドラマを見ていた頃からの疑問を、ボランティアおじいさんに尋ねる。

だま「あの・・・東海道って、そんなに人が行き交っていたんですか?ちらほら、という感じですか?」。
おじいさん「かなりの人が歩いていたそうで、常に人とすれ違うほどの数だったと聞いています」。

ほー。なんか、ガラガラなイメージがあったんだよね。
でも、この岡部宿でも旅籠がそれだけの件数存在したってことだから、すごい宿泊者数だよな。
ちなみに大名や幕府の役人が宿泊したのは旅籠ではなく「本陣」と呼ばれます。この「柏屋」は
旅籠ながらも本陣に迫る立派さに見えますね。ちなみに本陣は旅籠と異なり、料金設定がないそうで、
宿泊する側が心づけを言い値で支払っていたそうです。
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まだお昼前。時間もあるので、ここから少し山間部に入った岡部町朝比奈地区へ向かいます。
朝比奈地区は宇治、八女と並ぶ、日本三大玉露茶の産地。
「旅籠・柏屋」から建設中の第二東名高速道路をくぐり、6kmほどで「道の駅・玉露の里」へ到着。
東京から150kmの場所とは思えない、静かで、ローカルな場所です。
その道の駅に併設されている茶室「瓢月亭」。今回は見送りましたが、ここでお茶を頂きたかったですね。
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やはり宇津ノ谷峠同様、以前静岡の主力産業であった林業の隆盛ぶりを物語る材木搬出用ケーブル。
錆びて朽ちてしまっています・・・何年動いていないんだろう。
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で、どうするか・・・。OT氏が道の駅の案内板を見て「蓬莱橋に行きたいなあ」と言う。
iPhoneで距離測定すると20km弱。「車の運転疲れないか?」と尋ねるも「行ける行ける。すぐだわ」と。
二人で車に戻り大井川を目指す。そして、30分ほどで島田球場の照明塔が見え、すぐ脇に蓬莱橋を発見。
駐車場に車を停め、通行料100円を橋のたもとにある小屋で支払う。有料なのね。
蓬莱橋、ご存知ですか?あの大井川にかかる木橋のこと。よくテレビの旅番組にも登場しますね。
こう言えば「あぁ、あの橋」と気付く方も多いかと。私も恥ずかしながら橋の名前までは意識してなかったわ。
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ちなみに世界一の長さを誇る木橋としてギネスブックにも掲載されています。
長さは897.4m。なげーw。明治12年の完成です。自転車は走れるらしいが、欄干が低くてこええええ。
転んだりしたら落ちるぞw。下まで結構高さあるしw。
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片道約20分。なかなか反対側の岸が近づいてきません。途中、床板にはこんな文字が・・・。
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昔は暴れ川としてその名を轟かせた大井川も、治水対策が進み、普段は砂利ばかりが目立ちます。
往復で40分。そして、島田市側に住む農家の人々が、川向こうにある茶畑へ農作業へ行く際に
今でもこの橋は利用されいているそうです。観光目的だけじゃないのね。
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こんな感じで静岡の歴史を楽しく訪ね、夕方の渋滞が始まる前に横浜へ戻りました。
Commented at 2009-12-04 08:10 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by navona1971 at 2009-12-04 12:19
そうですかー。承知しました。
by NAVONA1971 | 2009-11-29 23:59 | ぶらり旅行記 | Comments(2)