悲しみの対面

e0078069_194417.jpg

5時30分には目を覚ます。布団のせいかよく眠れた。爽快な朝。
共同風呂のため、早めに出向く。幸いにも誰もおらず・・・。部屋に戻り、支度を急ぐ。

ロビーに降りるとSY氏はすでに到着。宿の方にお礼を伝え出発。
いい宿だった。また使いたい。やっぱり和室はいいな。
121号で一気に大峠を超え新庄へ向かう。残雪がかなり目立つ県境。
米沢から13号で北上する。スムーズな走り9時30分には新庄へ。
新庄に来たのは15年ぶり。新幹線開業で駅舎も真新しくなった。

駅近くにちょうど花屋と仏具屋があり、お花とお線香を買い求める。
すぐ近くのお寺へ。ひと声かけ、お寺の方にお墓の場所を案内して頂く。
大きな、美しい桜の木の下にE嬢は眠っていた。
今日はちょうど満開からやや散り始めたか。見入ってしまう鮮やかさ。
きっと穏やかに過ごせると思う。いいよ、この場所は。
SY氏とともにお墓を掃除し、花とお線香を添える。
ここに彼女が骨として眠っている感覚が今ひとつ理解できない。
ただ、駅から近くてよかった。これならいつでも会いに来られる。

手を合わせたあと、白鷹へ向かう。
交通量は多いものの流れているため、すぐに国道348号には進めた。
この道は初めて通る。いつも会社からの帰り、ここから電話をくれたのか、と思い出す。
そして白鷹トンネルへ。車を進めると出口近くに大きく防護壁が凹んだ場所が。
出口を過ぎてから車を慎重に止め、花を持ち現場へ向かう。
ちょうど出口から20mほど進んだところだろうか。
そこが彼女の事故現場であることに確信を持つのに時間はかからなかった。
足下に添えられたジュースやお茶の横にじゃがりこのチーズ味があったから。
彼女、これ大好きだったんだよね。花を添え、両手を合わせる。

さらにここから10Kmほどにある彼女の実家へ。
地図と昔の記憶でさほど迷うことなく辿り着く。置賜盆地を見下ろす丘。
緊張しつつ玄関を開ける。ご両親とお祖母様に趣旨を話す・・・。
「よく来て下さいました、きっと来て頂けるかと思ってましたよ」と正座をして頭を下げるお母様。
そして、お祖母様も思い出したようだ、僕のことを。きちんと迎えてくれてよかった。
お茶を頂きながら、「E子はだまこもちさんとのこと、よく私に話したのよ」と。

「一度もケンカしたことなく」・・・このあとは自分も泣けて言葉にならなかった。
自分の生活力に自信がなくて別れたことを伝えた。
あの頃は仕事も定まらなかったし。将来が見えてなかった(まぁ今もだけど)。
その後は友人としてとても仲良くやってきたことも。
お祖母様が「今のご主人はあなたに似てるんですよ。きっと、面影を探してたかも」と。
お祖母様とお母様はなんとかやってそうだが、
お父様の落胆ぶりがひどかった。目がうつろだった・・・。

仏壇に手を合わせる。結婚式当日の写真かな。かわいく写ってる。
同行したSY氏も手を合わせてくださる。
「結婚は?」との問いに「いいえ」。「早くE子のことは忘れてね」と力ない笑顔を見せるお母さん。
異性で最大の理解者だった彼女より楽しく過ごせる子がいるかどうか。

深くお礼をして、辞する。
玄関では彼女のイトコや姪っ子が無邪気に遊んでいた。
理不尽だよな、どう考えても。なぜE嬢だけがこうなるのか。

今回来ることには躊躇があった。でも、来て良かった。SY氏には感謝。
その後、福島に戻り、霧の中をグランデコへ。投宿する。
ロビーではピアノの弾き語り。 アメイジンググレイスでした。

しかし、運転者には猛省を促したい。
彼とは電話で話をした。彼も重傷を負ったって。
けれど、自分の耳に入ってる言葉に、悔恨の気持ちが不思議と伝わらない。
まるで他人事のように語っているように感じた。悪意のある受け取り方なのかなあ。
問いただしたい気持ちが口をつきそうになったのを抑えたことを思い出した。

助手席の彼女を自らの過失で遠い人にしてしまった。あんた旦那だろ?新婚たった四ヶ月で。
真冬の帰省、新庄からなら新幹線使えばいいじゃないか。
E嬢にも運転に注意してと昔から何度も何度も口酸っぱく言ってきたのに。
E嬢から僕に来た、事故一週間前の最後のメール。

「雪は多いけれど、今年は助手席専門なので安全です」。
by navona1971 | 2005-05-01 23:59 | ぶらり旅行記 | Comments(0)